四方山話


国政選挙に思う

桜甫翁(西国桜圃丘 )

(2013-04-15)

4月に入って政党の広報車が行き来している。選挙は今年の夏と聞いていたがまた気の早いことで、と思っていたら、昨年末の衆議院議員選挙で当選した議員が参議院からの鞍替えだったことによる参議院議員補欠選挙がおこなわれると言うことである。  今回の選挙は、現政権の発足後100日の評価と夏の参議院議員選挙を占うということで各陣営とも気合いが入っているようであるが、どうもいまいち関心が持てない。政治に余り関心の無いことが主な理由であるが、代わり映えのしない選挙結果が予想されることも一因である。  この補選では、与・野党あわせて4名が立候補、事実上、現政権党の公認を受けた県西部の元首長と、県東部の前政権党の閣僚経験者の一騎打ちと目されている。保守と革新の争いだが、山口県は保守王国と言われ保守政党の強い土地柄だ。過去22回の参議院議員選挙のうち保守政党以外で当選したのは5名、第4回までに3名。1989年の消費税導入が争点となった年と1998年消費税増税の翌年に1名づつ、それ以外は保守政党の指定席となっている。ここ10年での4回の参議院議員選挙では、いずれも保守政党が議席を占めている。また、昨年末の衆議院議員選挙は、2000年以来、保守政党が明け渡していた県東部の議席を奪還、保守政党の独占状態となっている。「保守王国、健在なり」である。  現政権党の陣営では、首相のお膝元ということと内閣支持率が高いことなどもあって楽観ムードが漂っているという。一方の候補者は、支持層の労組の動きがにぶいという。素人考えだが勝負あったの感があり、興味は批判票がどの程度積みあがるかに移っている様に思う。もっとも「選挙は水物」という、どうなりますことやら。  ところで、昨年末の衆議院議員選挙で山口県の議席を政権党が独占したが、ちょいとやりすぎの感が歪めない。以前の衆議院中選挙区制の基では大半が保守政党の議員であったが、革新政党の議員も国政に送り出していた。安定多数の政権与党と批判勢力としての野党といったバランスがそれなりにとれていたと思う。各選挙区で一人しか国政に送り出せない小選挙区制の基では、あまりに白黒がはっきりしすぎていると感じる。中選挙区制の頃の様に、もう少し少数意見を生かせる仕組みにならないだろうか。一票の格差是正に絡んで選挙制度抜本改革が言われる昨今である。是非考えて頂きたいものである。

プロフィール 桜甫山人。のんびりと田舎暮らしを楽しみ、四方山話を愛する。

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